歴史のお年玉
あけましておめでとうございます。Sです。前回までは「孔子と論語」について書いていました。しかし、今回は一年の初めなので趣向を少し変えまして、去年一年で出会った歴史のYou Tubeチャンネルやドラマについて話をさせてください。
まず、You Tubeチャンネルについてです。今、僕が一番注目しているチャンネルが「古代ローマが面白い」です。名前の通り、「古代ローマ」をテーマにしたYou Tubeのチャンネルです。ポエニ戦争やガリア戦記など、古代ローマ史では定番の内容だけではなく、ミトリダテス戦争やカティリナ弾劾など、少しマニアックな内容までわかりやすくまとめてくれています。さらに古代ローマの食事やローマン・コンクリート、ウェスタの巫女についてなど、多岐にわたるテーマをさまざま取り上げています。古代ローマ史を全然知らない初心者からガチ勢まで楽しめること請け合いのチャンネルです。初めて見るときにオススメの動画を一つ上げるとしたら「ガリア戦記①」を見てみてください。あの有名なガリア戦記の冒頭を丁寧に、しかし、チャンネル運営者の独自の解釈も紹介しながら説明していて、とてもおもしろいです。
次に、歴史ドラマについてです。去年見た歴史ドラマで一番面白かったのは「項羽と劉邦」です。実はこの作品は以前に紹介した「三国志 three kingdoms」を制作した高希希監督の作品です。この監督の作品は単純に面白いだけではなく、独自の歴史解釈や人生訓まで含んでいてとても素晴らしい監督だと思っています。この作品の一番の見どころは劉邦の描き方です。「項羽と劉邦」はもともと「史記」や「漢書」で描かれている紀元前3世紀の争いです。この時代を題材にした作品としては司馬遼太郎や横山光輝の「項羽と劉邦」が日本では有名だと思います。先に申し上げておきますと、司馬先生も横山先生もどちらもすばらしい作家で、お二人の「項羽と劉邦」も必見の作品です。しかし、上記の作品を見ても、おそらく、なぜ劉邦が項羽に勝てたかはしっくりとこないと思います。少なくとも僕はこなかったです。その点は「史記」と「漢書」も同様です。しかし、高希希監督の「項羽と劉邦」を見れば、一つの答えを得られると思います。決して、それが唯一無二の正解だとは思っていませんが、この作品ほど、劉邦と向き合った作品を寡聞ながら僕は知らないです。いきなり高希希監督の「項羽と劉邦」から見ると、たぶん話が難しいと思いますので、司馬先生か、横山先生の「項羽と劉邦」を見てから高希希版の「項羽と劉邦」を見ると、見た人それぞれの劉邦が現れると思います。この点については、また回を改めて話せたらとおもっています。
今回はここまでにしておきます。今年一年楽しめる歴史のYou Tubeチャンネルとドラマを紹介させていただきました。ありがとうございました。