中国古典の世界①
こんにちは。Sです。
僕は,歴史に勝るとも劣らないくらい中国古典が好きです。中国古典を読むと,ものごとを見る時の新たな視点を提供してくれたり,自分の固定観念を崩してくれたりする感じがとても面白いからです。それに,悩み事があったり,どうしたらいいか迷うことがあったりしたときに,中国古典を読むと,昔の賢人が自分にそっと寄り添って悩みや迷いを聞いてくれる感じがするのも読んでいて楽しいです。また,僕という人間の本質的な部分が中国古典と相性がいいのだと思います。今回からのシリーズでは、そんな僕がおすすめする中国古典の一節を紹介していきたいと思います。記念すべき第一回目は僕の座右の書である、「菜根譚」洪自誠 著(岩波文庫)にある後集132の一節をどうぞ。
〈書き下し〉
世人は営利の為に纒縛せられて、動もすれば塵世苦海と曰う。知らず、雲白く山青く、川行き石立ち、花迎え鳥咲い、谷答え樵謳うを。世もまた塵ならず、海もまた苦ならず、彼自ら其の心を塵苦にするのみ。
〈現代語訳〉
世間の人々は名利の念に束縛せられているので、とかく此の世を塵世だとか苦海だとかいいがちである。しかしそれは自然の美しさを知らないからだ。空には雲は白く山は青く、川には清らかな水は流れ岩はそばだち、野には美しい花は咲き鳥はよい声で歌い、谷にはこだましきこりは歌っているのを。(この自然の美しさを知れば)この世は塵世でもなく苦海でもない。世間の人々は自分で自分の心を束縛し塵世だ苦海だとしてしまっているだけである。 日々生活をしていると,うまくいかなかったり,思い悩んでしまったりして,後ろ向きな気持ちになることがあります。そんなときにこの一節を読み,少し散歩をすると,気分がリフレッシュされて,新たな一歩を歩むことができます。たぶん,気持ちと身体がリフレッシュされるのだと思います。みなさんは,この一節にどんなことを感じましたか。もし機会があれば,教えて頂けると幸いです。ここまで読んでいただき,ありがとうございます。